おかあさんの木

ご存知でしょうか?

小学生から読める本で「おかあさんの木」というものがある、そうです。
今年この作品が映画化されると聞きました。

本があるそうです、というのは
私が「おかあさんの木」を知ったのは、小学生の時に歌ったことからなんです。
小学5年生の時に学年の音楽会で歌いました。

『少し昔のことだけど 7人の息子よ…』
から始まり、場面場面で曲調が変わり、途中で(たぶん)3回の語りが入ります。
語りは、代表の子がマイクの前に出て話しました。

『おはよう、おはよう、7人の息子よ…』
ここは明るい曲調で、お母さんは心配をしながらも戦争で頑張っているであろう息子たちを応援しているようでした。
『ちいさな、ちいさな、7本の桐の木…』
そう、7人とも戦争に行ってしまうんですね。
『3年経ち、4年経ち、桐の木は増えていく…』

そして、
『中国大陸の一郎が、名誉の戦死を遂げられた…』
お母さんは知ったのです、もう一郎がこの世の人でないことを。遠いところへ逝ってしまったことを。
戦争に出した子どもが、生きて帰ってこない恐怖に直面するのです。

『ひとりでいいから帰っておくれ…』
桐の葉がポタリポタリ落ちる些細な音でも、お母さんは誰かが帰ってきたのかとハッとします。
『誰だい、三郎かい……呼んでも帰らぬ息子たち…』

季節は巡り、雪が降っても風が吹いても子どもたちは誰も帰ってきません。

最後の章は、もうお母さんの言葉ではありません。
『お母さん、お母さん、やつれ果てたその手 お母さん、お母さん、ひとりにしてごめんなさい』
ただ1人帰ってきた息子です。
『一度だって、お母さん、忘れた日などなかったよ…』
悲しい、とても悲しい再会でした。

長い歌なんです。
10分もしくはそれ以上あったと思います。1冊の本を物語を歌にしていたんですね。
ずいぶん前のことなのに、歌詞やメロディーを覚えているものですね〜(@_@)
保護者の前で発表したとき泣いているお母さんが大勢いましたが、当時はよく分かりませんでした。
いま歌ってみると、泣きます。

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